ロケットストーブで炊く土鍋御飯

新米の季節。美味しいお米をいただいたので、お昼に土鍋で炊いて食べることにしました。そこで、良い天気に恵まれたこともあり、庭先でキッチンロケットストーブを使うことにしたのでした。

自作のロケットストーブを外に持ち出していると、近所のおばあさんがちょっとした用事で来られたのですが、ロケットストーブに興味深々の御様子。お話しながら一緒に火をつけることにしたのでした。おばあさんのお家では、薪でお風呂を沸かしているとのこと。薪のお風呂に浸かると身体の芯から温まって、とっても気持ち良いとのことでした。薪もそんなにたくさんは要らないらしいです。

ロケットストーブで炊飯1

ロケットストーブですが、東日本大震災の時には、避難生活を送る上でとても重宝されたと聞いています。我が家でも、庭や山の木々を伐ったり、剪定したりする中で出てくる枝を活用する術として利用しています。ロケットストーブはそんな枝を燃料として使うのに丁度良いのです。

細薪

長さ40cmくらい、直径2cmくらいの枝の細薪です。割った薪のように積んで乾燥させるのは難しいので、薪棚を作っています。

薪棚

こんな感じです。ちょうど、近くの大きなイチョウが綺麗に色づいてきていました。秋も深まってまいりました。

ロケットストーブについて詳しくは、私が説明するよりもネット検索をご利用いただければと思います。
私が参考にさせていただいた記事を、ここでいくつかご紹介しておきます。

5分で分かるロケットストーブの原理 http://bluetailhappiness.ldblog.jp/archives/1246372.html
ロケットストーブの原理 マニュアル完全版 http://bluetailhappiness.ldblog.jp/archives/3419449.html

キッチンオハナさんのブログ。いつかお店に行ってみたい・・・。ロケットストーブというと、オハナさんのように土で作ったベンチやベッドに熱を蓄熱させるものが多いですね。そういう本格的なロケットストーブとは違い、簡単に製作できて、調理に特化したものが今回のキッチンロケットストーブです。

キッチンロケットストーブの作り方 http://enasanroku.exblog.jp/18105227/

ペール缶ふたつを知り合いの自動車修理工場でいただいてきて、ホームセンターで買ってきた煙突と組み合わせて作りました。ペール缶と煙突の間に不燃性の断熱材としてパーライトを詰め込んで出来上がりです。ロケットストーブの心臓部であるヒートライザーだけを利用したようなカタチになっています。最後に要らなくなったガスコンロの五徳をのせています。

キッチンロケットストーブ俯瞰

着火は、まず半分に破った新聞紙を丸めて燃やし、煙突を軽く温めます。次に残り半分の新聞紙を燃やしながら、細薪を焚口に立てて火を移します。すると、ゴーっとういう音をたてながら火が吸い込まれていくのです。この音がロケットストーブという名の由来です。この時点で、お昼をお誘いする間もなく、ご近所のおばあさんは帰ってしまわれました。よくできているね~と感心して下さいました。

 

焚口

激しい気流が生まれるために燃焼が促され、煙もほとんど出ないですし、風の影響も受けません。

焚き始めは、着火で使った新聞紙が灰となって舞い上がるので、それが落ち着くのを待ってから、米と適量の水が入った土鍋を五徳にのせます。お米は洗ってから20分程浸水させました。最近では炊飯用に内蓋のある土鍋もあるようなのですが、我が家のものはそうではないこともあり、土鍋の中で沸騰すると水が蓋の周りから飛び散るので、濡らしたタオルを蓋の縁に置いています。

土鍋蓋

着火してから、15~20分くらいでグツグツ音がし、湯気が出てきます。

炊飯の途中

ここから、どれくらい焚き続けるかは、音と湯気の香りで私は判断します。音が程々に静まり、美味しそうな御飯の香りがしてくるのです。ここで五徳から土鍋を降ろし、20分程余熱で蒸らします。3合のお米を炊くのに使った細薪の枝は10本くらいです。もし、かまどで炊いたならば、もっとたくさんの薪が必要なはずです。とても効率が良いのです。

炊き上がり

さて炊き上がりです。蓋を開けた時に湯気と共に良い香りが立ち上がりました。写真を撮る準備をしている内に湯気が落ち着いてしまいましたが・・・。

おこげ御飯

おこげもしっかり出来ています。この香りがたまらないのです。理由はよく分かりませんが、ふっくらもっちりに炊き上がります。メインは土鍋御飯。あとはシンプルに梅干しと味噌汁だけとしました。

今回炊いたお米は、只今設計中のお客さまからのいただきもの。親御さんから受け継いだ田んぼで、初めて収穫されたお米とのことです。稲架かけをして、天日による自然乾燥された素晴らしいお米です。稲刈りの後、雨が続き、大きな台風まで来るという過酷な年でしたが、とても美味しく感動です。御馳走様でした。