採蜜レポート2018

ここ紀美野町の山里に越して来てから仲良くしていただいている二人のお爺さんから、そろそろミツバチの採蜜をした方がいいぞ~と、2週間程前から何度もアドバイスをいただいていました。梅雨入りして雨が本格的に降り続くことがあると、ミツバチ達は活発に花蜜を集めることができず、蓄えている蜜を消費してしまうのだそうです。貯蔵量が減ってしまう前に採蜜をした方が良いということのようです。ちょうど、越冬したコロニーが元気に巣を大きくしていましたし、我が家の瓶詰のハチミツも少なくなってきた頃です。その上、実家の母からもリクエストがあったので、天候をみて採蜜に踏み切ることにしました。

これが採蜜する前の巣箱です。

採蜜前巣箱1

採蜜前巣箱2

重箱式の巣枠を6段積んでいます。ちなみにスダレは日除け、立て掛けてある板は巣箱入口の風除けです。

巣箱の中の様子です。

採蜜前の巣箱内部

少々偏っていますが、巣の落下防止用に取付けている十字の棒の5段目くらいまで大きくなっています。

巣箱の入口では、この日も送風隊が隊列を組んでいました。

採蜜前のミツバチ

少々お騒がせ致しますが、御勘弁を・・・。

さて、まずは屋根と上蓋を取り外します。

上蓋取外し

次に、木の棒を使って振動を加えることでミツバチを下に追い込みます。

ミツバチを追い込む

ほぼ追い込んだところで、パン切包丁を使って一番上のスノコ状の天井を取り外します。

スノコ天井の取外し1

時間が経つとミツバチが再び上がってくるので、息を吹きかけて下に戻しながらスノコにくっついている巣板を切っていきます。一匹のミツバチも殺すことのないように慎重に包丁を入れていきます。切り離したらスノコ天井を外します。

スノコ天井の取外し2

外したところです。

スノコ取外し後

たっぷりの蜜が貯まっていて、巣穴はきっちり蓋で塞がれていました。糖度が高く、良い蜜である証拠です。

次に、最上段の巣枠をいただくために上から2段目との間に、もう一度パン切包丁を入れていきます。この時もミツバチを下に追い込んでいるのですが、追い込まれたミツバチが下の出入り口から溢れ出してきてしまいました。

最上段切離し

切り離した巣枠はすぐにタッパーに入れて蓋をします。今回はずっしり重く、たっぷりの蜜をいただくことが出来そうです。

最上段をタッパーに移動

しかし、ここでアクシデント発生!残っている方の巣板が一枚だけ下にずれてしまいました。

最上段切離し後

上の写真の右側です。そんなアクシデントはそっちのけで、こぼれたハチミツを舐めることに夢中のミツバチもチラホラ・・・。

何とか持ち上げようとしたのですが・・・、

巣落ち

下に落ちてしまいました!ここでミツバチは大騒ぎです!!

興奮しているミツバチ

出入口付近に溢れ返っています。とりあえずスノコの天井を再び取付けて上蓋をセットしてから、どうしたものかと考えこんでしまいました。そのまま様子を見ようかとも思ったのですが、落ちてしまった巣板が出入口を塞いでいてもいけないので、意を決して前蓋を外すことにしました。

入口の蓋を外す

一匹も潰してしまわないように慎重にゆっくり外します。指にはミツバチの羽根の振動がゴム手袋を通して伝わってきました。

ミツバチでいっぱい

前蓋を外してもたくさんのミツバチで落ちた巣板が見えません!何とか手や木の枯れ枝を使ってミツバチを除けると・・・、

巣落ちの状態

落ちた巣板が見えてきました。巣板から垂れた蜜でべっとりと濡れてしまったり、巣板の下敷きになってしまったミツバチを出してしまいました。とりあえず、巣板を回収します。

落ちた巣を回収

巣箱内の温度が高かったのか、蝋で出来た巣板は柔らかくなっていました。ミツバチ達には申し訳ないことをしてしまいました。この後、蜜で濡れてしまった底板を外して洗い、巣箱はそのままの状態でしばらく放置し、夕暮れ時に元に戻して、ミツバチ達もようやく落ち着きました。

さて、採集した巣板の方ですが、タッパーに入れたまま家の中に持ち帰り、包丁を使って3枚に下ろしていきます。

巣板を下ろす

巣板は仕切板を境に2層の巣穴が並んだ構造をしています。それぞれの巣穴は蜜蝋で蓋がされているので、仕切板の両側にそれぞれ包丁を入れることで蜜を垂れ落とすことが出来ます。

まずは上側に包丁を入れてから、上下をひっくり返して、下側も同じように包丁を入れていきます。

下側も切る

下側には花粉を貯めていた巣穴が少し含まれていました。黄色いところがそうです。色の薄い巣板は今年の春からできたものです。色が濃く、黒っぽいところは昨年の巣板を利用しているところです。こちらの方が巣は固くて丈夫です。先程の巣落ちしたところは、色の薄い新しい部分でした。

あとは、タッパーの蓋をして蜜が垂れてしまうのを待ちます。

垂蜜採取中

少々分かりづらいですが、蜜が垂れてきているところです。垂れずに巣板に残っている蜜はあとで搾ります。

そして、いきなり瓶詰めして完成。(笑)

ハチミツ瓶詰後

濾過をしている時は、つれ合い共々、手が蜜でベトベトのために撮影はパスしてしまいました。右から4本までが垂蜜です。そして、左の2本が搾った蜜です。垂蜜は透明で透き通っています。搾った蜜は花粉や巣板の蝋の小さなクズが入ってしまうため、少し濁っていますが、食べるのには何の問題もありません。1リットルの瓶なので、全部で約5リットルといったところでしょうか。

右から3本目は垂蜜のはずなのに少し濁っていますね。搾った蜜と混ぜてしまったかな?

垂蜜

とてもきれいなハチミツ。食べるのがもったいないくらいです・・・。(笑)