十五社の森
先日、橋本の実家に行った帰りに、かつらぎ町の巨樹、十五社の楠に立ち寄りました。
「十五社」は「じごせ」と読みます。
かつらぎ町観光協会の案内板には、次のように書かれていました。
「本幹の周り13.5m余りで支幹が八方に張り、その様が森のように見えることから十五社の森とも呼ばれている。」
樹齢600年以上、近畿で最大の巨樹なんだそうです。
幾世代にも渡る人の営みを長くながく見続けてきた、とても神々しい存在。
計り知れない、大いなる母性のようなものを感じてしまいます。
妙楽寺の境内にあることになっているのですが、小さなお堂がひとつ残っているだけで、お寺の風貌は既に失われてしまっています。
かつて妙楽寺には15神を祀る十五社明神が鎮座していたことから、現在の樹名となったようです。
大楠の木陰に残る、小さなお堂。
幹の根本に見える白い蛇のようなクネクネは、どうやら避雷針のアース線のようでした。
十五社の楠は、かつらぎ町立笠田小学校の北側にありますので、訪れてみたい方は小学校を目標に探してみるといいかもしれません。
小学校の駐車場からみた大楠。
巨樹の繋がりとして、私が住む紀美野町にも幾つかの巨樹が姿を残しています。
我が家に最も近いところでは、熊野三山の祭神を勧請した熊野神社の神域内に、2本の杉の御神木が並んで立っています。
夏越しの大祓で行われる茅の輪くぐりの写真ですが、正面左側に2本並んでいるのが御神木の大杉です。
この地に移住し、初めて参拝してお目にかかった時、その立ち姿があまりにも立派で印象的だったことを思い出します。
毎年、茅の輪くぐりの時期に参拝すると、この御神木の右側の杉の樹洞からニホンミツバチが溢れ出しているのに遭遇します。
十五社の楠の枝にも、色んな鳥が羽休めに留まっていました。
巨樹は多くの人の営みを見守ってきたと同時に、様々な生き物の営みも受け入れてきたのですね。
大きな樹を大切に守ってこられた土地々々の人達にも感謝の気持ちが湧いてきます。
ありがとうございます。
住宅設計の仕事を生業にしている私にとって、大きな樹は色んな意味で「家」のメタファーmetaphorであり続けています。