自然農の畑170502
5月に入り、我が家の畑の一画では出穂した麦が爽やかな風になびいていたりします。
麦はイネ科。イネ科は地中深くまでヒゲ根を張る植物です。
自然農では畑を耕さないことを基本にしていますが、植物が根を張ることで年数と共に畑はフカフカになっていきます。自然耕なんて呼ばれたりしています。
そんな自然耕のリーダー格と云えるのがイネ科の植物なのですが、畑で栽培する野菜として一般的なものはトウモロコシくらいです。
その他では、水稲、陸稲、アワやキビなどの雑穀、麦類がイネ科としてよく知られているところだと思います。畑を野菜づくりに適したフカフカの自然耕の土にするためにも、我が家では2種類の麦を少しの面積ですが取り入れて栽培しています。そんな理由もあるにはあるのですが、自家製の麦を自宅で食べられるのは、ただそれだけでも楽しいものです。
上の写真はモチ裸麦の弥冨モチです。お米と一緒に炊き上げて麦御飯として食しています。プチプチ&モッチリとした触感、そして香り良く美味しい。炒って粉にしたものを「はったい粉」または「麦焦がし」などと呼ばれていたりもします。
これは、おませ小麦。和歌山県の在来種の小麦とのことで友人から種麦を分けていただき、蒔き継いでいます。
粉に挽いてスコーンやクッキーなんかの焼き菓子にして食します。
挽きたての粉で焼くお菓子はやはり香りが良いのです。
さて、周りの山々では薄紫や白い色をした藤の花が最盛期を迎えています。
お隣の廃屋に覆いかぶさる藤。強靭な植物です。
花にはミツバチやクマバチがたくさん集まってきています。
この花を見ると夏野菜の苗を植えないと・・・という気持ちになってきます。しかし、今年は育苗が遅れ気味。
トマト数種、カボチャ数種、ズッキーニ、キュウリなどの苗です。
この他にナス、シシトウ、ピーマン、韓国唐辛子、スイカなど育苗中。
我が家では種を継いでいますので苗を購入することはありません。
食べたい品種の苗が売られていないというのも理由のひとつです。
畑に直播きしても良いのですが、保温すれば早めに種を蒔けることと、管理をまとめて行えるので育苗することにしています。
ところで、自然農で野菜づくりを始めて、美味しさに驚いたものがいくつかあります。
里芋、ゴボウなどの根モノと、採れたてが美味しいトウモロコシ、キュウリ、アスパラガスなどです。
特に里芋は、お譲りする方からも、お店で買えない味との評価をいただいたこともあるほど。
実は私自身そう思っています。自慢なのです。(笑)
里芋の種イモもここ数年ずっと継いできたものです。
冬に冷えて傷んでしまわないよう、薪ストーブのある部屋の片隅で毎年保存しています。
これは、セレベスという品種。本日、植え付け完了しました。もうすでに芽が出てきていました。
あと、もう一種の石川早生は昨日、植え付けました。
これから収穫までの約半年間、土の中でゆっくり、じっくり育ちます。
土の中に長くいるからこそ、土の影響を大きく受ける野菜だと聞いたことがあります。
我が家の畑のように、10数年手つかずで耕作されていなかった農地は、自然の浄化作用が進んだ貴重なタカラモノなのです。
ありがたや・・・。